平成21年12月27日(日)
日本経済新聞より抜粋
年金問題の切り札になりうる制度と、注目してきました!
言葉だけでも是非、覚えておいてください!

自宅を担保に老後の生活資金を借り入れ、死亡時に担保の売却などで返済する「リバースモゲージ」
まだ一般的になじみは薄いが、ここにきて商品の種類が少しずつ増え始め、選択肢が広がってきた。上手に活用すれば、年金や退職金を補う「第三の老後資金」を手に入れることができる。最新事情と注意点をまとめた。

死亡時に元本返済
 リバースモゲージは一種の不動産担保ローンで、米国で普及が進んでいる。利用者を高齢者に限り、元本を死亡時にまとめて返す点が特徴で、一部の商品は利息の返済も死亡時まで待ってくれる。元金をあわせて少しずつ返す一般の不動産担保ローンより、生きているうちの返済負担が軽くて済むのが利点だ。

表Aは日本での商品の主な例をまとめたもので、これに沿ってそれぞれの商品内容を点検しよう。

 A銀行は10月から、借りたお金の使い道を自宅の増改築費用に限る新商品(高齢者向けリフォームローン・元本一括返済型)の扱いを開始した。通常のリバースモゲージが対象外としているマンションも担保として使えるのが特徴。借りられる額は自宅の担保評価額(公示地価の7割程度が目安となる固定資産税評価額が基本)の5割までで、上限は1500万円。元本の返済は死亡時だが、利息の支払いは毎月求められる。金利は変動だ。
 関西に住む男性からは、古くなった自宅の改修資金として、300万円の申込があった。現在の金利だと月々の利息は約7500円。

 B銀行は従来、借り入れたお金をリフォーム以外にも広く使える商品(住宅担保型老後資金ローン)を扱っている。元利ともに死亡時に返すタイプだが、借入に当たっては土地の評価額が4000万円以上という条件がついており、利用のハードルが高いと感じる人も多そうだ。

 C銀行は10月に新たにリバースモゲージの取り扱いを始めた。利用は前橋、高崎両市の原則、路線価がある地域に住む人と限られる。ただ、同行の動きを機にリバースモゲージが他の地銀にも広がれば、全国的な普及に弾みが付く可能性もあり、関係者の間では注目されている。
 借りられる額は自宅(マンションは対象外)の土地評価額の6割までで、上限は、1億円。一度にまとめて借りるのではなく、土地評価額をもとに作成された融資限度額の範囲内で、最高85歳までの期限内に毎年一定額ずつ借りる。本人あるいは本人と配偶者の両方が死亡した後に、元金を返す。利息は毎月払う必要があり、金利は変動だ。

 比較的使いやすい商品内容で、実績も多いのが、D銀行。貸してもらえる額は自宅(マンションは対象外)の土地評価額の8割までで、上限は1億円。一概には言えないが、時価の5〜6割程度までは借りられるようだ。評価額は毎年見直すので、限度額ぎりぎりまで借りていて評価が下げられると返済が必要になる。
 元本は死後6ヵ月後に、相続人が土地を売却するなどして現金を用意するか、銀行に担保物件を渡すかして、返済する。後者の場合、銀行が引き取った土地を売った値段が元本などを上回ったときは、その差額は返してもらえる。下回った時の差額は払う必要がない。契約を配偶者に引き継げば、元本返済は配偶者の死亡後。利息を毎月払う必要があり、金利は変動だ。

一部自治体も扱う
 リバースモゲージには東京武蔵野市など一部自治体や都道府県の社会福祉協議会が取り扱っている例もある。金利は低く、マンションも対象となる場合もあるなど、民間銀行より有利なことが多い。

主な注意点
 第1は、金利が固定ではなく変動になっているため、将来、支払利息が増える可能性がある。経済情勢次第では現在のような低金利が続かないかもしれないからだ。
 グラフBはC銀行の商品に関する毎年の利息支払額の試算だ。限度額900万円とし、60歳から25年間毎年36万円を借りるという仮定のもとで計算した。金利は今の低い水準が変わらないという前提のもとでの計算だが、利用期間が25年の長期に及ぶと1年当たりの融資額は小さくなるから、最後の方は融資額と利息支払額がほとんど同じになる。仮に金利が上がれば、毎年の利息支払額が融資額を上回ることもあり得る点には十分注意しよう。

 第2に想定以上に長生きした場合も注意が必要だ。C銀行の商品でいえば、毎年の融資が受けられるのは85歳まで。それより長生きすると、借り入れが止まる一方で、融資残高は残っているので利息の支払いだけが続いてしまうことになる。

 第3は、地価下落の影響。多くの商品では担保の評価を定期的に見直す仕組みになっている。地価が下げると、当初想定していたほどのお金は借りられなくなるわけだ。
 こうしたリスクを考えれば、老後の収入をリバースモゲージだけに頼るのは現実的ではないだろう。あくまで補完的な手段ととらえた方が無難だ。とはいえ、長引く不況で年金や退職金の先行きに不安が感じられる中、持っている土地をもっと利用しようという発想は、豊かな老後を送るための一助となりそうだ。


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