A.ローンを借りて家を買う場合。

ローン2000万円 30年 金利2.0%で借りた場合 毎月73,923円
分かり易いように条件は上記のみで、途中の金利上昇分は特に考えない場合です。
 
総支払額は約2661万円となります。@

またローンを借りる費用として、保証料(約40万円)、火災保険料(長期一括約40万円)、抵当権設定等(約25万円)合計約105万円がかかります。A

更に、保有コストとして、固定資産税を13万円×30年で390万円、メンテナンス費用として、年18万円(15000円/月)として、30年で540万円。 保有コスト合計で約930万円がかかります。B

総額でいきますと、@+A+Bで約3696万円がかかります。


B.現金を貯めて後で家を買う場合。

2000万円を30年、360ヶ月で貯めると、毎月約55500円ずつの貯金が必要となります。
 
現在は金利が低いので、金利のメリットを一切考えず計算しています。@

また30年の間、住まいを賃貸しなくてはなりませんので、2人夫婦で計算してみます。 およそ2LDK程度で60000円程度の家賃の物件を見込みます。これを360回で計算すると、約2160万円がかかります。A

家財保険として、2年で2万円、更新事務費用で2年で1.5万円で計算すると、15回の更新が必要で、(2万円+1.5万円)×15回で52.5万円がかかります。B

総額でいきますと、@+A+Bで約4210万円がかかります。



30年後のAとBを比較すると、Aの住まいはリフォームをしながらの築30年の中古住宅。 一方Bの住まいは、最新設備のついた新築住宅。 Bの方がやはり多く費用はかかるようで、差額は約510万円。 単純な金銭の損得、考え方、住まい方等、人により様々ですが、あなたのライフプランはどちらのタイプが当てはまるでしょうか。

補足
今回の比較はご夫婦でお子様の居ないケースで比較しましたが、追加のケースでお子様(1人)が居る場合、差額はもっと開きます(Bの賃料が高くなります)。 弊社試算で差額およそ870万円。 これらから推すとお子様がいらっしゃる場合は、早いうちに購入された方がお得になるかと思われますね。











今までは単純に比較した出費の話でした。
これからはまた全く別の目線からこの比較を考えてみましょう。


不動産を取り巻く環境として、現在資産デフレの進行が止まらないという点を考えてみましょう。

事実として、1992(平成4)年から18年連続で不動産価格は下落しており、未だ反転する兆しが見えておりません。 皆様も不動産価格の下落傾向は実感されているところでしょう。 この約20年間で地価は2分の1(50%)以上下落しており、場所によってはそれ以上になっています。 これは単純に年平均3%程度の下落率です。 また今はおよそ20年前の価格と同等に戻ってしまったとも言われております。 


上記の原因として、一つは人口減少が考えられるでしょう。
不動産の価格は需要と供給のバランスで決まってきます。 買いたい人がいないのに価格が上昇するということは無いからです。 そして我が国の人口は2005(平成17)年の1億2770万人をピークに減少を始めました。 20年前と同水準という不動産価格ですが、当時は1億2000万人余りでまだ山を迎える前の昇り基調の時代。 今は山を過ぎた降り基調の時代です。 当時と違い需要が減り始めている状況での値上がりは難しいと推測出来ます。


またもう一つの原因として、物価のデフレが考えられるでしょう。
我が国の物価は1999(平成11)年以降、概ね2008(平成20)年単年を除いて下落を続けており、これも0.3〜1.4%程度と大きくはありませんが、上昇はしておりません。 世界的にはインフレが進行しているという話を聞きますが、今のところ日本だけは逆行しています。 物価の件ではプロの方々の様々な見方がありますが、自分が一つ支持しているのは、過去の日本で人口減少をした時期(例えば江戸時代後期)の経済では、極端な政策で一時的なインフレはありましたが、それ以外は概ねデフレが進行し、その流れは変わらなかったという事実なのです。


20年前は人口がまだ増加中で緩やかにインフレが進行している時代です。 皆が家を欲しがって活気のあった時代、不動産価格もこれらと同様の動きをしていったのではないかと思います。
一方現在は山を過ぎて人口は減り始め、終わりの見えないデフレが進行している。 国民は高齢化し、活気が衰えつつある時代。 そんな中、不動産価格はどうなるのでしょうか。


これらの流れから推測すると、30年後の不動産価格はどうなっているか。
例えば下落率が今迄の年平均3%の半分、1.5%程度下落したとしましょう。(坪20万円の場所が3年後に坪19万円に下がる位のペースです。)そうすると、なんと30年後は45%の下落になります。 仮にここまで落ちないまでも30%程度の下落は想定できるのかなと思います。


今迄の見方から先程の比較を見てみると、Aがローンで早期に買った2000万円の不動産は、30年後の価値として30%減で1400万円になります。 また30年後の中古住宅なので、メンテをしないでそのままであれば更に価値は下がることでしょう。 
一方、Bは支払が500万円程度多いですが、前出の見方の通り資産価値が下落するとなると、30年前より30%安く購入することが出来ると想定され、AとBの差額は一気に無くなるものと考えられます。

見方が変わるとこういったこともおきるわけです。


金銭だけで考えると今迄のようなことがおこるのですが、家というのはそれだけではないと思います。 家族がその空間でくつろいだ生活をする場所であり、思い出をたくさん育む場所であり、お金には変えられないものだと思います。 子供にとっても故郷であり、人生の原点になり得る場所であり、そういったものは損得では測れないものです。

 ですので、様々な見方をしたうえで、それぞれに会ったライフプランニングをされて不動産を利用されるのが宜しいかと思います。

 我々はプロとして様々な角度からそれを理解して皆様にアドバイス出来ればいいのかなと思っております。 ご清聴有難うございました。



追伸 今迄の見方はあくまで私の独断の見方でありますので、あくまで参考ということでご覧下さい。


また出典のデータ等は以下の通りです。

総務省統計局 「人口の推移と将来人口」
総務省統計局 「消費者物価指数」
国土交通省土地・水資源局 「都道府県地価調査」
日本経済新聞 「やさしい経済学〜歴史人口学を知る」
足利小山信用金庫ホームページ 「住宅ローンシュミレーション」
大地住建 「土地情報一覧」






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